2018年10月9日

相続法の改正

Q. ニュースで相続法が改正されたと聞きましたが、どのような内容ですか。

A. 民法や家事事件手続法について多岐にわたる改正が行われました。改正内容は【解説】をご参照下さい。

【解説】
 平成30年7月6日に「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律」が成立し、同月13日に公布されました。民法の相続法分野においては、昭和55年改正(寄与分制度の創設など)以来の大改正となります。

 その内容は多岐にわたりますが、大きく分けると次の6点について見直し等がなされました。

1 配偶者居住権の保護
(1)配偶者短期居住権を創設
(2)配偶者居住権を創設

2 遺産分割に関する見直し
(1)配偶者保護のため持戻し免除の意思表示の推定規定をおく
(2)預貯金の仮払い制度等を創設
(3)遺産分割前に遺産に属する財産が処分された場合の遺産の範囲の規定をおく

3 遺言制度の見直し
(1)自筆証書遺言の方式を緩和(相続財産目録は自筆でなくても可とするなど)
(2)遺言執行者の権限の明確化

4 遺留分制度の見直し
 遺留分に関する権利の行使による効果を見直し、金銭債権が生じるものとする

5 相続の効力等に関する見直し
 法定相続分を超える部分の遺産の承継については登記等の対抗要件を備えなければ第三者に対抗することができないことにする

6 相続人以外の者の貢献を考慮するための方策
 相続人以外の被相続人の親族が無償で被相続人の療養看護等を行った場合には、一定の要件のもと、相続人に対し金銭請求できるようにする

 改正法は原則として令和元年7月1日から施行となっていますが、自筆証書遺言の方式緩和に関する規定は平成31年1月13日から配偶者居住権に関する規定は令和2年4月1日から施行されています。


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